今回のトムラウシでの遭難事故は、私たち登山ガイドにとってもかなりショッキングな出来事でした。今後大きな課題を提供したと思います。今、出来るだけ今回の遭難に関する情報を集めてファイリングし、教訓として、これからの山行の資料としていこうと思います。
新聞などでは中高年の体力不足(体力の衰えに気づかない事)や本州の登山者が北海道の山を甘くみていて、軽装過ぎた云々と書かれています。確かにそうでしょうが、それならツアー会社やガイドがきちんと説明し、装備チェックをして、もし装備が不足なら参加を辞退させる事ぐらいはするべきだったのではないでしょうか?それぞれが山をなめた結果がこのような悲劇を生んだのだと思います。ツアー会社の社長が参加者の装備の甘さに責任があるような発言をしていたようですが、それだけでは済まされないと思います。参加費用を安く設定するために、何処か手抜きがあったんじゃないかなと思います。何もかもが合理化や利益追求に走りすぎていたのでは・・・、って感じるのです。
以前、私が登山クラブで初めての人を案内するときはいつも不安を感じていました。会員数を増やすのはいいんだけど、山行当日始めて顔を合わせて、自己紹介がすんだら「さあ案内して・・・・」では、その人の体力や能力、人柄も分からないまま、連れて行くのは本当にいやでした。アマチュアの登山クラブであっても、事故があればリーダーの責任になってしまうのです。ということで、そのような会は辞めてしまいましたが。
今はプロの登山ガイドとして、今回のことは重く受け止め、これからのガイディングをしていきます。以前から提唱していた、ミーティングをしっかりやって、お客さんとガイドが互いに良く知り合い、いろいろな面で分かり合った上でのガイド山行をしたいと思います。
山楽塾 http://www.sanrakujuku.com/
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亡くなった方には悪いですけど、どうして遭難してしまったか、どういうふうに亡くなってしまったたのか、ということよりも、ツアー会社やガイドの対応や責任についての方が興味があります。
ニュースを見ててもその辺りがよく分からないんですよね。
はいいろが浦島太郎なだけかもしれないんですけど...
やまがらすさんのファイリングに期待しています。